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「鉄」と「銅製錬」&「鋳銑鉄くず」の出会いから  鉄の起源・たたら製鉄の始まりを考える


≪1504feroots01.htm≫
 1. 鉄の起源を探る  世界最古の小鉄塊は銅鉱石の製錬過程の副産物か?
                 松山 愛媛大学 第18回アジア歴史講演会「鉄の起源の探究」成果報告2015.2.14 より  
2月14日 ユーラシア大陸のメタルロード探究を進める愛媛大学の村上恭通教授らは
「鉄の起源探究」成果報告の愛媛大学第18回アジア歴史講演会で、トルコ カマンカレホユック遺跡の共同発掘調査で出土したヒッタイトの時代以前の世界最古の小鉄塊・鉄滓について、共同研究者たちの報告ふくめ、その後の調査研究から
「人工鉄の起源は西アジア地中海沿岸の銅製錬の副産物として銅製錬錬の過程で生まれ、それがさらに鉄製錬へと展開されていった」と研究成果報告。

さらにこの鉄の起源を探るユーラシア大陸のメタルロード探究の共同調査で、トルコ カマンカレホユック遺跡ばかりでなく、
西アジアのヒッタイト以前の遺跡から鉄器並びに鉄遺物が出土。特に それらの遺跡は西アジア地中海沿岸のイスラエルやキプロスなど銅交易銅生産で栄えた都市から出土し、文書にもそんな記録が数多く残っているという。

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 ヒッタイト王国の時代前後 西アジアの初期鉄器の分布  
ヒッタイト王国の前後を通じて、銅交易の中心だったイスラエル・キプロスからの鉄器出土が多い
銅生産の中心地での銅製錬の過程での鉄鉱石投入や鉄の生成の文献記述に加えて、村上教授らは復元原始銅製錬炉での鉄鉱石の添加による銅製錬の副次効果の実証実験として、銅鉱石のみを原料とする炉と銅鉱石・鉄鉱石の混合原料での炉で銅製錬比較実験を実施。
鉄鉱石添加により、誕生した銅塊増すとともに鉄もわずかながら生まれたという。そして 鉄鉱石の投入比率を変えるなど、数々の工夫により鉄を目的的に生産できるようになったのであろうという。
余談であるが、銅の英語名「copper」は「キプロスの銅」という意味であり、
特にキプロス島はかつて海底であった熱水鉱床がいくつも走っており、
鉄を多量に含む銅原料黄銅鉱の有名な産地でもある。

青銅時代など銅製錬初期その原料は自然銅が主であるが、黄銅鉱など硫化銅鉱石には鉄が大量に含有されており、
自然銅が取り尽くされると銅製錬の原料は地中にあるこの硫化鉱に移ってゆくことになり、
銅製錬の現場に鉄と銅は隣り合って存在していたともいえるだろう。

 
主要な銅鉱物と銅鉱石 
自然銅
孔雀石・炭酸水酸化銅
黄銅鉱(鉄・銅の硫化鉱)

また、冶金屋にとっては 銅と鉄は溶融状態でも相互に混じり合わないことが常識としてよく知られており、
銅製錬の過程で溶融銅とその上部に浮く銅滓に分離させ、
その銅滓中に部分的に還元された鉄が混じって存在することを知り、それを集めて小塊にしたことは十分ありうると思える。。.

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                    1504feroots01.htm  2015.4.5. by Mutsu Nakanishi