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        生駒山暗峠周辺の髪切・鬼取の郷に鬼伝承を訪ねる 2015.1.25.
 
2. 鬼の伝承地を訪ねて生駒山暗峠越  近鉄枚岡駅 - 国道308 - 髪切・慈光寺 - 暗峠 - 国道308 - 鬼取町 - 生駒駅2015.1.25.

 2.1.  国道308号を登って 鬼伝承の髪切集落から暗峠へ
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      12:00 近鉄枚岡駅→枚岡神社・椋ケ根橋→国道308・古道 奈良街道→12:30 髪切集落・慈光寺へ分岐
      → 奈良街道旧道→12:50 髪切集落・慈光寺→13:17奈良街道旧道を暗峠へ→13:30暗峠
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  2.2.  暗峠から奈良側へ下って鬼取町を訪ねて 近鉄生駒駅へ
       14:05 暗峠から生駒側へ →国道308→14:25西畑町入口から鬼取山への道を探しながら鬼取町へ峠越
        →15:00 鬼取町 鬼の茶屋 →15:10 鬼取町鶴林寺 → 生駒山山腹を北へ近鉄生駒駅へ →16:10 生駒駅      ..

   2.1.   国道308号を登って 鬼伝承の髪切集落から暗峠へ 

                                                 酷道とよばれる国道308・奈良街道暗峠越                         生駒山山頂直下髪切集落                        暗峠
                                  12:00 近鉄枚岡駅→枚岡神社・椋ケ根橋→国道308・古道 奈良街道→12:30 髪切集落・慈光寺へ分岐
                                  → 奈良街道旧道→ 12:50 髪切集落・慈光寺→13:17奈良街道旧道を暗峠へ→13:30暗峠
1月25日晴天の日曜日 大坂難波からまっすぐ東へ生駒山へ向かう近鉄電車。
神戸からダイレクトに奈良行の快速急行に乗り、途中鶴橋でり換えて、約1時間ほど東大阪の市街地から真っ直ぐ
東の生駒山を目指した電車が、ラグビー場のある東花園駅から生駒山の山腹を登りながら、北へカーブを切るとほどなく
枚岡駅。東大阪の街並が眼下に見える斜面の上に駅があり、梅の名所で有名な河内一宮平岡神社が駅のすぐ東側にある。 

いつもなら、東大阪の街並を眺めながら通過して、石切駅を経て、生駒山をトンネルを抜けて奈良へ向かうのですが、

今日は枚岡駅で下車。ここから暗峠への道があるのは知っていましたが、この地に降り立つのは初めてです。
時間はちょうど12時。 駅で暗峠へのハイキングマップをもらって暗峠へ 
毎度花園ラクビー場から東正面に眺める生駒山の山裾 ここから大阪・奈良を最短距離で結ぶ古道奈良街道暗峠越の道が
今は国道308号線となって通じている。 
生駒山山頂の南肩にある暗峠には街道沿いの古い家並みと石畳道がのこり、自動車道というより、生駒山のハイキング・
野鳥探索の道としてよく知られている。 
でも この国道 この枚岡から暗峠まで一車線の急坂の連続で、自動車で通るには難所酷道である。

河内一宮 枚岡神社とその北側を登る暗峠越の入口椋ケ根橋2015.1.25.
 
 
国道308号・古道 奈良街道暗峠越の道は古来から大坂・奈良を結ぶ最短コース
であるが、狭い谷筋をほぼ直登で生駒山上南側を越える厳しい道。 
国道とはいえ、東大阪市枚岡駅近くの東豊浦町にある勧成院の海抜が100mで、
暗峠の海抜は450mと高低差の大きい山中を平均斜度20%、最大斜度は37%の
坂道が折れ曲がらず、真っ直ぐ谷筋を登ってゆく。、

自動車通行可能な国道としては日本一の急勾配。よく整備はされているとはいえ、
途中平坦地は一箇所もなく、ほぼ一車線の道が暗峠へ登ってゆく。
自動車での下りとなるとまるで山を転げ落ちるような感覚になるのだろう酷道と呼
ばれる国道。

すぐ北側を第二阪奈道路がトンネルで生駒山を抜けていくので、まず大型車は通
らず、小さな車が通る周辺集落の生活道路化していて、生駒山の自然の中を山
深く分け入るハイキング道路にもなっている。
椋ケ根橋から上は暗峠まで集落はなくすべり止めが施された急坂が上へ上へ
と続き、静かな森のなか 谷を登る道筋のところどころで 古い霊場・行場・寺院
が現れ、崖際の厳しい坂道とともに、この生駒山が修行の山・霊山であるとの痕
跡を色濃く残している。 
ケ根橋から上は暗峠まで集落はなく
すべり止めが施された急坂が上へ上へと続く 2015.1.25.
緑に覆われたきつい崖道のところどころに行場・霊場などがみられ、この山が修行の山と 2015.1.25.
谷筋の緑の中をよく整備された坂道をぶらぶら登って、約30分ほど。 
谷道のドン突きから左へ坂道が急に大きくターンして、
左に深い谷が現れ、視界がひらけ、生駒山の頂上稜線が視界に。
稜線の切れ目が暗峠のようだ。 暗峠はもうすぐそこ。 
道は生駒山山上近く、視界の開けた山腹を深い谷にそって登ってゆく。

谷筋の道から左へ急坂がカーブして暗峠へ更に登ってゆく
この左手崖のところに道標が見え、「左 ほととぎすの名所 髪切山慈光寺右くらがり峠」と書かれている。                                     /
ここから谷筋へ下りてゆけば、髪切集落。 左手に見えているのが髪切山。人の気配のない山中に鬼伝説の「髪切」集落が埋もれている。
道はもっと先からもあるようですが、ここから谷筋へ下りてゆく。しっかりとした細い道が小さな谷に沿って続く。
人の気配のない山道。道がしっかりしているので不安はない。
谷底へ下りきったところに、鐘堂があるが、廃屋となった寺跡が見える。この道は古道だとほっとする。このお寺は白蓮寺という名前のようだ。
この山中にお寺があることも含め、かつて この道が、髪切集落を通暗峠への街道筋だったようだ。
髪切集落への旧道 谷筋を歩く 中央の写真が白蓮寺跡  2015.1.25. 
道はこのお寺跡の横からから、山腹を少し登ってゆくと池の横に道がそう。 
この池が地図にある髪切集落の一番下にある池。 ブッシュで両側が見えぬ狭い谷筋を登り切ると
ぱっと山腹の斜面に切り開かれた段々畑が見えてくる。
国道308の道標から 15分ほどで髪切集落の下の入口に飛び出した。
国道308髪切集落への道
 暗峠はすぐそば右に曲がりくねって登ってゆく国道が見える
役行者の鬼伝承が残る髪切集落  東大阪市街地から見えていた生駒山の山上を東西にわたってゆく鉄塔がすぐそこ。
振り返ると 遠く眼下に東大阪の市街地が霞んでいました。棚田の上に10軒にも満たない髪切集落 この一本道が街道筋?? かと。
地図によれば、鬼伝説の慈光寺は斜面の一番奥の高いところで、集落の一番奥だ。集落の左手の山が髪切山。集落内を歩く数人の観光客以外に人影はなし。
ふと気づくと姿は見えないが、猿の鳴き声が響き渡る。
山中に埋没した限界集落との感じがつよい。
今回は旧道を歩いてきましたが、集落の中央まで細いが暗峠からの車道も入り、枝尾根を一つ越えれば暗峠の街道。
心配はいらないのだろう。 都会人にとっては 車とは無縁の静かな空間がひろがる山里がこんな近くにあると。
ほととぎすなど野鳥の名所だそうだ。 

 綺麗に整備された石垣に囲まれた段々畑が続く鬼切りの郷 振り返ると遠く東大阪の市街地が見える
集落の中に入っても、全く人の気配がない。でも 綺麗に整った集落で、日曜日で人影がないだけなのかもしれない。                                     .
静まり返った髪切集落の中を抜けて 一番奥の慈光寺へ。家並みはなくなっているが、道筋には立派な石垣が続き、 
道の奥に屋根が見えているのが慈光寺のようだ。集落の一番奥だ。

よく整備された集落の中を一番奥の慈光寺に向かってゆく  20154.1.25



髪切山 慈光寺 門前 と 門前から眺めた東大阪の市街地 

13:04        髪切山慈光寺に到着。髪切伝説に惹かれてここまでやって来ましたが、門前にも人影はなし。
結局集落で見かけたのは数人のハイカーのみ。
「役行者」と言えばみんな吉野金峰山寺 そして大峰山を思い浮かべるのですが、それよりも古い霊場がこの生駒山。それを伝えるのが、    .
この髪切山慈光寺の鬼伝説です。
いまから1300年前 この地で役行者が悪さをする夫婦鬼を捉えて改心させて、従者となった夫婦鬼が有名な前鬼と後鬼。
慈光寺では この開祖役行者をまつる開山堂の戸開式・戸閉式に赤鬼・青鬼が修験者と一緒に、扉の鍵を持って石段を
駆け上がり、開山堂の戸開式・戸閉式を行うという。
各地で節分には改心して仏に仕える鬼のユーモラスな姿が見られるが、そのルーツがこの伝説なのかも知れない。
山門をくぐると山門脇に鐘楼そして河内三十三ヶ所観音霊場の札所・寺務所があり、本堂と開山堂は一段上に上がった山裾にありました。
寺の中にも人はおられませんでしたが、お接待のお茶が置いてあり、鬼伝説の由来や鬼の儀式の写真と一緒にこの慈光寺の由来を記した
案内書が掲示板に貼られていました。
お寺の心配りが嬉しい。
 

慈光寺の山門をくぐった札所の横に掲げられた慈光寺の案内写真・絵図より
石段を上がって 一段高い境内の木立の中の東正面に役行者開山堂があり、北正面に本堂があり、開山堂の扉はまだ 春の戸開式の前で閉められていました。 
いや〜ぁ 鬼が出そうとは思いませんが、この髪切集落への暗峠への街道は想像とは違って本当に他所では見られぬ道。
本当に古道にはいろいろな人達が行き来し、いろんなことが詰まっていると。
詳しくは知らなかった生駒山の鬼伝説を今回はじめて知りました。

役行者開山堂                                                 慈光寺本堂
13:15 この慈光寺の境内からそのまま寺の裏側を回りこんで寺の東側に出ると一軒新しい家があり、庭先で仕事をするおばさん。
この集落で初めて出会う住人で、「このままこの道を行って南へ折れれば暗峠に出る」と教えてもらいました。
 
広い道はこの家の庭先でおしまいで、そこからは山裾を東へ山道が伸びていて、「奈良街道 暗峠石畳道」と書かれた案内板があり、
そこを少し登ったT字路の角に「暗峠・旧奈良街道 暗峠まで0.4キロ」と書かれた分岐道標が立っていて、
この道がかつての暗峠越の山道とし知れました。
慈光寺の東側を奥へ伸びる旧奈良街道 の古道  2015.1.25.
この道標に従って 右側へ折れて 杉木立の中を南へ 約15分ほどで 国道308号線暗峠に出ました。

奈良街道暗闇峠越 暗 峠  2015.1.25.  中央左:生駒市 右:東大阪市

歩いてきた道は生駒山の稜線の道で、正面の東西に並ぶ家並みは奈良街道国道308号線 暗峠の家並み。

国道に出ると何度か写真で見た暗峠の石畳道でした。
でも石畳道は峠部のほんの数十メートルだけ。あとは両側ともすべり止めのついた舗装道路に整備されていました。

峠から少し大阪側へ下りたところで カワセミ?が電線に  2015.1.25. 
髪切の集落では野猿の声が響き渡り、街でみかけぬ野鳥が幾つか・・・生駒山は険しい分だけ 自然が残されている。
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             暗峠 すぐ生駒側に右手に峠の茶屋 時間を見ると13:45 
暗峠のすぐ生駒側に右手に「峠の茶屋」  時間を見ると 13:45 
ここからは 生駒側の鬼が捕まったという鬼取山そして「鬼取」の地名が残る
生駒市鬼取町へ山を下る。
鬼取山の鬼が捉ったという伝承地には地図には道が記されていないが、
道があるともいう。 よくわからぬ。
この鬼取山・元鶴林寺周辺の情報を教えてもらうことも兼ねて遅い昼食に 。

 

枚岡駅から国道308号の急坂を登って 暗峠のすぐ下で、鬼伝承の残る髪切集落へ

トラバースする旧道を通って、髪切集落へでて、役行者によって改心した赤鬼・青鬼
の伝承の慈光寺に立ち寄り、暗峠へ。
約1時間30分の行程でした。
度登ってみたいと思っていた国道308 古道に奈良街道の暗峠
国道を歩くのだと気楽な気分できましたが、予想外。
ちょっとキツイが、楽しいハイキング。
食事後は奈良側へ下る
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   1502ikoma02.htm    2015.2.1.  by Mutsu Nakanishi